ジャンクのDAS-703ESが来たので修理



CoVID-19の影響で今年のGWも帰省を中止せざるを得ず、暇になった。
暇だがあんまり街に出てうろうろするものでもないので、近所のハードオフに行きGWのおもちゃを漁りに。

ポケコン2台と、なんとなくジャンクのCDPを2台ほど発見。
SONY CDP-510とXL-Z711。どちらもトレイベルト伸び程度。
CDプレーヤを持ち帰るのはいつぶりだろうか。

実家にいたころは何台もオーディオ機器を積んでおり、CDプレーヤもたくさんあったが、引っ越しの時にかなり放出してしまった。
2システム分程度の機器を実家に残し、引っ越し先には基本的に各コンポーネント1台づつしか持ってきていない。

 

 

XL-Z711は2台目なので音は知っていた。一方でCDP-510の方は廉価機とは言え80s SONYサウンドを久しぶりに聞き、単純に「この感じ良いな」と思った。
いわゆる解像間やレンジといったものはメインで使用しているDENON DCD-3500Gに到底敵うものではないが、DCD-3500Gは個人的な趣向としては少々ウォームすぎると感じていた。

こうしてSONYの往年の高価格帯のCDPがほしいななどと思ってしまったわけで、しばらく思慮した結果、DACを買えばいいじゃんと。結果、ヤフオクでDAS-703ESを落札してしまった。


 

 

前置きが長くなったが、そのワンオーナーらしいDAS-703ESはノーチェック品であり、つまりはジャンク扱いだった。
手元に来てから判明した症状は
入力切替後3秒ほどは音が出るが、その後出なくなる」。

さて、この機種は入力後3秒ほどだけ音がでる、とか3秒くらい経つとノイズが出るとかいう症状が定番らしく本機ももれなく持病が出たようだ。
なんでこんなことになるのかを少々まとめてみた。



■DAS-703ESではクロックタイミングを2系統持っている。一つはデジタル入力に追従する、つまりジッターを含むRX系。もう一つはサンプル&ホールドに使用するAPT 系。

■サンプル&ホールド回路とは、次のサンプルまで値を保持する回路……簡単にいうと、例えばCDは44.1kHzのサンプリングレートであり、つまり1秒間に44100個の値が出現するわけだが、値と値の間が開かないように、次の値が来るまで前の値を保持(ホールド)しておくための回路だ。
そして、1秒間に44100個の値を極均等に出現させるために使う基準がAPT系クロックというわけである。

■RX系クロックは入力された信号を読み取るための信号で周波数ロックが速い。一方でAPT系は立ち上がりが遅く、RX系に遅れて周波数がロックする。APT系がロックするまでの約4秒はRX系から信号をもらっている。(ソース切り替え時の出音を速くするためだと思われる)

■APT系がRX系から信号をもらうかどうかの切り替えにはULLDという信号が使用され、これはMUTH信号から立ち上がりを約4秒Delayさせたもの。
MUTH信号はUNLOCKとRSTとのOR。つまりソース切り替え時などにHIGH/LOWが切り替わる。






…というわけで、APT系PLLに異常があるとRX系PLLから信号をもらって音を出している最初の3、4秒ほどだけ音が出て、その後APT系PLLに切り替わるため音が出なくなるというのが不具合の仕組みのようだ。

(ちゃんと直さないならULLDを常時Lowにしておくと音は出る模様。
ジッターを嫌い2系統PLLにした意味がまったくなくなってしまうが。)

具合が分かるとなんてことはないのだが、まぁ当然ながらAPT系PLLが発振していないことが分かるまでオシロスコープやマルチメータをあっちにあてこっちにあてを繰り返したわけである。

 

 

さてさて、本機はAPT系のVCOがシールドされた別基板でAssyとしてくっついており、どうやらこいつの品質が悪いために同じような症状が出るらしい。
ネットでもこの部品を再はんだして修理した例があった。

で、デジタル基板についてる根本原因となっているパーツを外すとこれである。


 

(再はんだできなくね)

 

なんだかよくわからないがインペイブラックのような硬い物質がシールドケースの中まで完璧に充填されており、つついたり叩いたりしてみたが基盤のはんだ面を出すことは叶わなかった。

これはもう代替パーツを作るしかないのか…!?

 



 



 

 

→作りました。

 



KiCADで互換VCOボードの回路を引き、PCBのガーバーデータを作成、PCBFusionに発注。
CADで基板を設計したこともなければプリント基板を発注もしたことなかったのでドキドキしながら待つこと2週間ほど。

 

届いた基盤がこちら。
当たり前だがCADデータ通りの実物。ちょっとどころかかなり感動。

(10枚もいらんが)



 

手配しておいた部品を基板に実装して基盤に取付。
シールドがないが、まず大事なのは動くのかということ。



 

 

 

無事発振して音出ました。
周波数もロックし、問題なさげ。やったぜ。



 

あとは接触の微妙なリレーを交換。
実装されているG2V-237Pは昭和の時代にディスコン、その後継のG2VN系もディスコン、現行で入手可能なのはG5V-2系。



 

切れていたインジケータランプのムギ球も交換。
オリジナルよりちょっと暗くなっちゃったけどまぁ見えるからいいや。
気になるならちゃんと電圧のあったムギ球を探すか、デジタルボード部の抵抗交換すれば調整できる。

 



 

完成。

 

音は期待通り。音はクリアでどんなパートの動きもはっきり聞き取れる。
適度な硬さと量感で気に入った。しばらくはこれで手持ちのCDを聴きなおそうと思う。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です